地球に恋する研究者〜生物多様性の未来〜

生物多様性と地球環境に関する研究の紹介と女性科学者の日記。

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「プロメテウスの罠・観測中止令」を読んで。

朝日新聞では現在、「プロメテウスの罠」という長期連載シリーズを掲載中です。

先週完結した第3シリーズ「観測中止令」では、
気象研究所が長年続けていた放射線の観測を気象庁が中止する決定をしたこと、
それでも、研究者の奮闘でなんとか観測が続けられたこと、
その観測データを使って書かれた論文の投稿を要請されたこと、
などが書かれていました。

私は地球温暖化の研究に気象の長期観測データを使っているので、
長期観測の重要性は十分に分かります。

日本で全国的に気象データが採られるようになったのは1890年代なので、
日本での温暖化は、必然的にこの時期以降しか分かりません。

イギリスの観測所では1600年代からのデータが残っているので、
産業革命前後の温暖化の影響も見ることが出来ます。

一方で、途上国の中には、今でも観測データが継続して記録できないところもあって、
そういう場所の状況は、他の国の記録をベースに推測するしかありません。

放射線の観測となると、気象よりもずっと記録している国は少ないので、
このような世界的に貴重な観測が、継続されて本当に良かったと思います。

それと、同じつくば市で働く研究者として驚いたのは、
ネイチャーに掲載が決まっていた論文が、所長の許可が降りずに、
内容を書き換えて他のジャーナルに投稿することになったということ。

その理由は、
「マスコミが騒いで、パニックになることを心配した」
から。

国民のパニックを怖れて科学的検知を公表しない、
とは、SPEEDIの公開の遅れと状況が似ていますね。

研究者の成果が、政治的な圧力でコントロールされることがあるとすると、
いろんな分野における科学的知見も政治家に操られた結果なのか、
と思われてしまいかねないので、とても残念だと思いました。

興味のある方はぜひ読んでみてください。

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